食事

食べることは単なる生命維持活動であるだけでなく、生活における楽しみであり、精神的充足や幸福感をもたらすものです。また、食事は「食習慣」という言葉が示すとおりそれぞれの生活スタイルが色濃く影響する活動の一つでもあります。
安全で・美味しく・楽しく、その人らしさが生かされた食事ができるよう援助しましょう。

よりよい食事環境をつくる

■心理的環境
・仲の良い友達などをまじえて、会話も弾む楽しい雰囲気をつくります。
・心配事や不安を抱えていると食欲がわかない場合があります。

■身体的環境
・体調不良や、食事間隔の不適切による食欲不振が無いか確認します。
・食べやすい姿勢を保持できているか確認します。
・身体状況に合わせて自助具を用意します。

■物理的環境
・採光や室温、BGMなどゆったりと落ち着ける環境をつくります。
・汚物やゴミは片付け、においが残らないように配慮します。

■食事の内容
・盛り付けや配膳も色彩や季節感に溢れた目で楽しめるものにします。
・嫌いなものや咀嚼力に合わない食品が出ていないか確認します。

食事の姿勢

  • 可能な限り座位で食事をとります。座位になると動作が自由になり、嚥下もしやすくなります。
  • 顎を引き、背筋を伸ばした状態がもっともよい姿勢です。
  • やや前かがみになった方が舌がコントロールしやすく誤嚥が少なくなります。
  • 臥位で食事をとる場合はできるだけ頭を高くし、顔を横に向けるか側臥位でとるようにします。
食事の姿勢

食事介助のポイント

  • 利用者の目の高さと同じになる場所に座り、利用者の利き手側から介助します。
  • 食べ物は必ず見てもらい、食欲をそそるように献立を説明します。
  • 食べ物のとおりをよくし、唾液や胃液の分泌を促すために最初に水分をとってもらいます。
  • 一口の量は適切か本人に確認し、飲み込みを確認します。
  • 利用者の好みやペースに配慮しましょう。
  • 固形物を食べた後は水分をとってもらい嚥下をスムーズにします。
  • 麻痺がある場合は必ず健側の口腔に食べ物を運びます。
  • 食後すぐ横になると、胃から食物が逆流する危険があるため30分程度は体を起こした状態で休息をとっていただきます。
食事の姿勢
こんな姿勢も要注意!テーブルが高すぎたり、足がしっかり床に着いていなかったり・・・。

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誤嚥について

◆嚥下(飲み込む動作)は反射という無意識に行う動作です。
通常は口に入った食べ物は咀嚼され(噛み砕く動作)、舌やのどの動きによって食道へ送られます。
しかし、神経や筋肉の障害により食道へ送られるはずの食べ物が誤って気道に入ってしまうことを誤嚥といいます。

◆誤嚥の予防の為に注意すべきこと
・利用者の体調、意識は鮮明か
・食事をとる姿勢は正しいか
・食べ物の形状は適切か
・食事のペースや一口の量は適切か

★誤嚥した場合の対処法
・絶対に顔を上に向けてはいけません。
・本人の顔がお腹をのぞけるくらい深く前かがみにし背中の肩甲骨の間あたりをテンポよく叩きます(背部叩打法)
・緊急性の高い場合は側臥位にし口腔内に指を入れて掻きだすか、吸引機を使用します。
そして直ちに医療従事者・救急車等へ連絡をします。

誤嚥した場合の対処法

口腔ケア

高齢になると唾液の分泌量も減り、口腔内の自浄作用も低下するので、毎食後口腔ケアを行うことが望ましいでしょう。
口腔ケアをすることによって唾液分泌の促進、口臭予防、食欲の増進にも繋がります。

★口腔ケアの注意
・感染予防のため手袋をして行いましょう。
・最初と最後に必ずうがいをしてもらいましょう。
・口腔内は粘膜なので傷つきやすい部位です。ブラッシングや義歯を外す際は傷つけないように気をつけましょう。

歯磨き介助

  • 状態に合わせて歯磨き剤を用います。飲み込む恐れのある方には使用を控えます。
  • 麻痺がある場合は麻痺側に食物残渣が残っている事が多いので最初に取り除きます。
  • 口を開けてもらいます。自力で開けられない方は口唇や口腔粘膜を傷つけないように指やバイトブロックなどを使って開きます。
  • 歯を磨きます。歯ブラシを歯の面に直角に当て小刻みに動かします。 ブラシを歯に押し当てた時ブラシの毛先が開かない程度の軽い力で磨きます。一本一本、歯間は特に細かく磨きます。
  • 歯肉を磨く時は更にゆっくりと軽い力でマッサージするように磨きます。強い力をかけたりこするようにすると出血の恐れがあります。
  • 歯ブラシをあてられない場合は、指にガーゼを巻きつけて拭き取る方法もあります。

歯磨き介助

■うがい

  • 冷水が染みる場合は温水を用います。
  • 十分に水が口腔内に回る量を含んでもらいます。少し空気を含んでもらい「ぶくぶく」と洗浄をしてもらいます。
  • 口を閉じることができない場合は、吸い飲みで水を口腔内に注ぎそのまま流します。その際は、誤嚥しないよう顎を引き、口角に近いところにガーグルベースをしっかりと当て、流れ出た水を受け止めます。
■義歯の手入れ
  • うがいをした後、義歯を外し流水で流しながらブラシをかけます。義歯が磨耗してしまうため、歯磨き粉はつけません。 また熱湯につけたり、強く擦りすぎるのも義歯の変形や磨耗につながるので注意します。
  • 清掃後、装着しない場合は水を張ったケースに保管します。
  • 就寝時は歯肉への圧迫を防ぐため外すのが望ましいでしょう。

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