排泄1

排泄介助は人間の日常生活の基本的行動にかかわるものです。 しかし、介助する側もされる側も、恥ずかしいと思う感情が生じて、 排泄時に他人の手を借りなければならないということは、それだけで排泄をがまんさせてしまう大きな理由となります。
そのため介護者は、介助される側のそうした精神的な負担や、身体的な不快が最小限になるように努めなければなりません。 「できる限り自らの力で用を済ませたい」という気持を大切にし、自立への手助けをしていきましょう。

排泄の意義

排泄行動の方針・原則
排泄は、身体にとって有害で不必要な老廃物質を体外に出すという生理現象の一つで生命を維持する為にはなくてはならない行為です。
生活の中で都合のよい時間に、規則的に、スムーズに排泄し、腹部がすっきりするという排泄習慣を身につける事が大切です。

1.自立の観点
排泄を決められた場所で自分の力で行うことを、人間としての自立の第一歩と考えるように、 排泄の自立が人間的価値に大きく関わるという社会的意識が強くあります。 「トイレだけは最期まで自分でしたい。」 この願いをできるだけかなえられるようにいろいろな工夫をして援助しましょう。

2.オムツ使用の弊害
オムツを使用するのは、排泄が自分でできない場合の最終手段です。
安易に利便さからだけで使用するのはやめましょう。

/歓箸侶鮃に悪影響を及ぼします。尿意を伝えるという神経作用が働かなくなり、脳の活性化を妨げます。
▲ムツを使用すると、皮膚が常に湿潤し、清潔を保てません。

排尿のメカニズム

口から摂取した水分と体内の代謝でできた水分の約7割が腎臓で尿となり、尿管を通って膀胱に送られます。
膀胱に尿がたまると、その刺激が大脳皮質に伝えられ、尿意を感じます。
排尿準備が整うと、その指令が大脳から抹消神経に伝えられ、膀胱の排尿筋が収縮し、尿を押し出し、
同時に尿道の括約筋がゆるみ、尿が体外に排出されます。

1.腎臓における尿生成
2.腎盂・尿管
3.膀胱に貯留
4.膀胱充満・内圧上昇
5.尿意(大脳皮質)
6.排尿反射
7.排尿

◆観察事項
<排尿の正常な状態>
/АЮ,鵑醒犬げ色
∪状:澄んで、沈殿物や浮遊物がない、悪臭もない
1日の量:1,000〜1,500ml
ぃ影の回数:昼間4〜6回、夜間1回

排便のメカニズム

食べ物は胃で消化され、腸で吸収されます。
吸収されなかった老廃物や不要物が結腸で半固形の便となり、直腸に送られます。
その便の刺激が脳幹部の排泄中枢に伝わり、さらに大脳皮質に至り、便意を知覚します。
排便準備が整うと、その指令が大脳から直腸筋に達し、排便筋を収縮させ便を押し出し、 同時に外肛門括約筋がゆるみ便が体外に排出されます。
排便は排尿と違い、腹圧を高める(いきむ)動作が加わらなければスムーズに行われません。

1.下行結腸・S字結腸(自然の重み・腸蠕動)
2.直腸
3.直腸内圧の上昇
4.直腸壁の骨盤神経を刺激
5.便意が脊椎・大脳へ伝達
6.排便反射(直腸蠕動と内肛門括約筋、弛段随伴動作)
7.排便

◆観察事項
<排便の正常な状態>
/А淡褐色
∪状:形が維持できる固さ、特有な臭気がある
1日の量:食べた量によって異なるが、約100〜200g
ぃ影の回数:1,2回

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排泄障害

高齢者と排泄 : 高齢になると、排泄に関するさまざまな機能が低下し、排泄障害を起こしやすいため、注意が必要です。

1.失禁
排泄機能の調整ができずに、尿や便をしようと思わない時や場所で、不随意に尿や便が出てしまい、そのことが衛生的にも社会的にも、問題になる状態をいいます。

尿失禁の種類と症状

種類
切迫性尿失禁
機能性尿失禁
溢流性尿失禁
腹圧性尿失禁
症状
したいと思うと我慢できずにもれてしまう トイレに行けない、トイレの場所がわからない、衣服を脱ぐことができない 尿がうまく出せないため、残った尿がじわじわと溢れてくる。ひどい頻尿ととらえることもある 咳やくしゃみ、笑ったはずみ等で、急に腹圧がかかった時にもれる
原因
膀胱の筋肉が過敏に働き、わずかの量でも膀胱が勝手に縮む。膀胱炎、脳血管障害、パーキンソン等に多い 日常の動作が鈍くなった、あるいは認知症の症状から 前立腺肥大症、糖尿病、脊髄損傷などに多くみられる 出産や加齢を主な原因に、骨盤底筋がゆるんだため

2.頻尿
膀胱内の尿量が約300ccになると、尿意をもよおすと言われています。排泄回数は、個人差がありますが、1日5〜8回くらいです。
排泄回数が正常より多い場合を「頻尿」といい、数分毎に尿意がある場合を「尿しぶり」といいます。

3.排尿困難
尿が自然に出ない場合を総称します。排尿が始まるまでに時間がかかる場合と、排尿そのものに時間がかかる場合がありますが、両者は前後して多く現れます。

4.尿閉
膀胱の中に尿があって、尿を完全に排泄できない状態をいいます。
一滴も排泄できない完全尿閉と不完全尿閉があり、不完全尿閉は慢性に起こるものが多く、排尿後も膀胱に尿が残ります。この尿を「残尿」と言います。

5.便秘
便が大腸内に停滞し水分を再吸収することによって固くなり、排便に困難・苦痛を伴う状態です。
排便は1日1回が一般的ですが、回数の問題ではなく、1日に数回の排便があっても少量の固い便しか出ない場合は便秘とされます。

6.下痢
水様便(85%以上の水分を含みます)で排泄される状態を言います。下痢が続くと、脱水症・栄養不足を招き、全身状態に悪影響を及ぼします。

便秘の予防と便秘時のケア

1.食生活
2.水分の摂取
3.排便習慣をつける
4.運動
5.腹部マッサージ
6.排便体位をとる
7.医療従事者に相談

福祉用具

ポータブルトイレ
差し込み便器
尿器
陰部洗浄ボトル
尿取りパット
テープ式紙オムツ
フラット型紙オムツ
リハビリパンツ

医療用:カテーテル、膀胱留置用カテーテル(バルーンカテーテル)、人工肛門(ストーマ)

他看護師対応:浣腸、摘便

排泄ケアの原則

1.プライバシーの確保
できるだけ人に気づかれずに実行したいという思いを尊重しましょう。不必要な露出を避けるように配慮して下さい。
2.安全(排泄行為に伴う事故の防止)
適切な排泄方法、用具を選び、転倒・転落(ベッド・トイレから)・ケガに注意しましょう。
排泄物を観察し、消化・吸収機能や体内の異常の早期発見に努めて下さい。
3.むだのない動作
排泄時は正しい姿勢をとってもらい、待たせず、手際よく介助し、いつでも気持ち良く応じましょう。
4.観察
必ず排泄物の観察(色・形・におい)をしましょう。また介助の際、陰部・臀部・仙骨部など身体の状態を観察しましょう(利用者への配慮を忘れずに)
5.自立
排泄がスムーズに行えないと社会的・心理的活動が不活発となりがちです。
自立できる部分を見いだし、自立しているという意識を持たせるような援助をしましょう。

排泄前準備

物品の例
・排泄用タオル数枚
・タオル用カゴもしくはビニール袋
・汚物用のバケツもしくはビニール袋
・プラスチックグローブ
・新しいオムツ
・パット

利用者の居室に伺い
・オムツ交換の了解をいただく
・体調を確認する
・カーテンを閉める
・速やかに物品を準備

★陰部洗浄ボトルのお湯は、微温湯(37〜39℃)で使用するため、
冷めることを計算してやや熱めのお湯を入れて持っていくとよいでしょう。
★異常な排泄物が出たら、すぐ医療従事者に報告をしましょう。

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