身体を清潔に保ち、健康を維持するつために入浴は欠かせません

 
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心身の清潔

身体を清潔に保つということは、身体機能の健康を維持するだけでなく精神的な安定ももたらします。
入浴、清拭などは心地よいものですが、肌をさらすデリケートな場面でも有ります。
手技だけでなく心のケアにも配慮しましょう。

入浴の意義

◆身体の清潔
◆血液の循環をよくし新陳代謝を促進させる
◆褥瘡や感染を予防する
◆リラックスやストレス解消
◆一緒に入る人とのコミュニケーションの場

浴槽の種類

◆一般浴槽
・・・自立、または介助があれば歩行と座位が可能な利用者が入る浴槽。手すりと階段が付いており、高くまたぐ必要が無い構造になっているものもあります。

◆特殊浴槽(機械浴)
・・・歩行・座位の保持が困難な利用者が入る浴槽。機械で昇降するストレッチャーで、仰臥位のまま浴槽に入ることができます。

◆その他
・・・機械で昇降する椅子で座位のまま入ることができるリフト浴や、身体に負担の少ないミスト浴など。

入浴の準備

■脱衣所
・着替えを準備します。オムツ使用者はオムツも準備します。
・脱衣所の室温を適温にします。概ね24度が適温です。
・脱衣所の安全確認をしましょう。足拭きマットがめくれている、床に靴や衣類が置きっぱなしになっている、床が濡れているなどは転倒に繋がります。
■浴室
・浴用品を準備します。(タオル、洗剤、シャワーチェアなど)
・補助具を準備します。(滑り止めマットや浴槽台など)
・浴室の室温を適温にします。概ね24度が適温です。
・浴槽の湯を適温にします。概ね40度が適温です。
・浴室内の安全確認をしましょう。床に泡が残っている、スポンジやタオルが落ちている、湯気で煙って視界が悪いなどは転倒に繋がります。

入浴の注意

◆利用者の心身状況を確認しましょう(バイタルサインは平常値か・入る意欲があるか)
◆入浴前に排泄を済ませていただきましょう
◆脱衣は必ず座って行ってもらいましょう
◆洗濯に出す衣類は品質表示とポケットを確認しましょう
◆気管切開・ストーマ・バルーンカテーテルなどは水濡れ防止の処置をします
◆補聴器・眼鏡・ネックレスなどははずしてもらいましょう

入浴の手順

1.シャワーの温度を確認します。まずは自分の肌で確認し、次に利用者の足元にシャワーをかけ適温か確認してもらいます。

2.適温になったら足元から全身へゆっくりとシャワーをかけ身体を温めます。

3.陰部・臀部を専用のタオル等で洗います。立位を取る場合は、必ず手すりに掴まってもらいましょう。

4.浴槽に入る場合
浴槽への出入りの際、介助・見守りは溺水防止のため浴槽側に付いて行いましょう。
湯にゆっくりと身体を沈めてもらい、湯の中で体が浮かないか確認します。
浴槽内でも手すりを掴んでもらうとよいでしょう。
湯に浸かるのは体力を消耗するので長湯しないよう声かけをします。

5.身体を洗う場合
洗う際、皮膚に異常がないかさりげなく確認をします。
身体を洗う場合は末端から体の中心へかけて、血液を心臓に送り込むように洗います。
脇や指の間、拘縮部位など皮膚と皮膚が接触しているところは特に注意して洗い、十分にすすぎます。

6.髪を洗う
シャンプーは手で泡立ててから頭皮につけます。
湯が顔に流れるのを嫌がる利用者にはシャンプーハットを使用する、タオルで目を抑えてもらうなどの配慮をしましょう。
洗体・洗髪が終わったら必ず利用者・介護者ともに手・足を再度すすぎましょう。

7.入浴後
髪はドライヤーでしっかりと乾かします。
入浴後は体力を消耗しているので、ゆっくり休養をとってもらいましょう。
発汗により血液の粘性が高くなっているので、必ず水分補給をしてもらいます。

入浴を嫌がる利用者

◆どんな声かけや、配慮をすれば入っていただけるか考えてみましょう。
・体調が悪い ・機嫌が悪い
・今やりたいことがある ・疲れる
・面倒くさい ・寒い
・裸を見られるのが恥ずかしい ・一緒に入る人が好きではない(利用者・介護者)
・下着が汚れているから見られたくない ・さっき入ったと思い込んでいる
・入浴の習慣があまりなかった ・施設の浴場は不潔だと思っている
・身体に見られたくない部位がある。(刺青、手術痕、ストーマなど) ・居室を空けるのが心配(不在中の盗難、来客)

健康チェックとバイタルサイン

バイタルサインとは生命徴候ともいい一般に体温・呼吸・脈拍・血圧をさします。

<体温>
腋窩(わきの下)、口腔内(口の中)、直腸(肛門の中)ではかることができます。
成人の平熱は36.0℃〜37.0℃ですが、高齢になると低下する傾向があります。

<呼吸>
胸の動きや鼻からの呼気で確認します。成人の正常値は1分間に16〜20回程度です。

<脈拍>
手首の内側、こめかみ、首などに人差し指・中指・薬指の3本をかるくあててはかることができます。
成人の正常値は規則正しいリズムで1分間に60〜80程度です。

<血圧>
水銀、機械を使い上腕動脈ではかることができます。
正常値は収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧85mmHg未満です。

※いずれも、運動や入浴の直後、無理な体勢や緊張状態での計測は避けましょう。

健康チェック

自分で体調をうまく伝えることができない人もいます。
介護者は日ごろから観察を怠らず、いち早く変調に気付かなくてはなりません。

≪主な観察のポイント≫
◆顔色・表情
苦痛・不快表情、紅潮・蒼白
◆耳
痛み、耳だれ、耳垢、耳鳴り、聴力の低下
◆眼
痛み、充血、目やに、涙、むくみ、視力の低下
◆口
唇の乾燥、口臭、口内炎、唇の色、味覚の低下
◆鼻
くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、乾燥、嗅覚の低下
◆皮膚
色艶、弾力、乾燥、発疹、むくみ、腫れ、熱感、冷感、傷、かゆみ
◆排泄
回数、量、色、におい、性状
◆のど
痛み、発赤、腫れ、咳、痰、声嗄れ、嚥下困難
◆食欲
量、嗜好の変化
◆姿勢・歩き方
傾いている、緩慢、足を引きずっている

清拭

清拭とはベッド上で身体を拭く保清手段です。
身体の清潔には入浴が一番ですが、体調不良等の理由で入浴ができない場合は清拭を行い清潔を保ちます。


◆清拭の準備
1.利用者の体調を確認します。
2.物品を用意します。
3.清拭用タオル、バスタオル、石鹸、お湯、防水布、バケツ、着替えなど
4.お湯は冷めることを想定して60℃くらいが適温です。
5.部屋を暖めます。室温は23〜25℃くらいが目安です。
6.蒸しタオルを使う場合はビニールや保温器に入れておきます。

★清拭の際の注意
*保温とプライバシーへの配慮から、不必要な露出は避けましょう。
*肌に当てる前にタオルの温度をよく確認しましょう。
*肌をこすりすぎないよう注意しましょう。

清拭の手順

☆血流に沿い心臓に向かって拭きます。以下の順序で拭きます。
(顔・首)→(肩・腕・胸・腹)→(背中・腰)→(足・陰部)

1.熱いタオルを手に巻きつけるように持ちます。縫い目や折り目など硬い部分が肌に当たらないよう注意します。
2.拭く部位のみを露出し血流に沿って拭きます。
3.熱いタオルを肌から離したらすぐに乾いたタオルで押さえるように湿気を拭き取ります。
4.拭き終わった部位は着衣するかバスタオルをかけ保温します。
5.全身清拭が終わったら着衣し、寝具を整えます。
6.最後に水分補給をし、体調の変化が無いか確認します。

目・耳・鼻・爪のケア

■目の清潔方法
・目を拭くときは脱脂綿を用い、必ず目頭から目尻に向かって拭きます。
・目やにがひどい時はお湯で絞ったタオルをあて、目やにを柔らかくしてから拭きます。
・感染防止のため一度拭いた面で再度拭かないようにし、右と左は別々の脱脂綿を使います。

■鼻の清潔方法
・鼻をかむ際は顔を横に向け鼻の穴より少し上を押さえてふさぎ片方ずつかみます。
・鼻がつまっていて自力でかめない場合は、綿棒を用い固まりをとったり、スポイトで鼻汁を吸い取ります。

■耳の清潔方法
・綿棒を用いて定期的に掃除をします。
・固まって取れないときは、温めたオリーブ油を綿棒にたっぷりとつけ、耳の中を湿らせておき1〜2日後に柔らかくなった状態で取り除きます。

■爪の清潔方法
・入浴後、爪が柔らかくなったときに切ります。
・巻き爪の原因にもなるので深爪しないよう気をつけます。
・切り口は衣類に引っ掛けたり肌を傷つける原因にもなるのでヤスリをかけて滑らかにします。


介護の教室目次


机上編

接遇 介護の基本視点 職業倫理 マナー
プライバシー保護 介護保険  
高齢者心理の理解 高齢者の心理 高齢者の心理(コラム) 高齢者の疾病
  認知症(1) 認知症(2)  
清潔保持 環境整備 褥瘡(床ずれ) 感染症

技術編

基本介護技術 移動・歩行介助 移乗・体位交換(1) 移乗・体位交換(2)
  移乗・体位交換(3) 衣服の着脱(1) 衣服の着脱(2)
  身体の清潔 排泄(1) 排泄(2)
  食事 レクリェーション  
リスク予防 緊急時の対応(1) 緊急時の対応(2) 薬の取り扱い
  記録の書き方 介護の専門用語  


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