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慢性的な人手不足を解消するには、派遣スタッフでその場をしのぐより、戦力として定着させていくことが必要になると考え、今期から紹介予定派遣による人材供給を重点的に推し進めているのが、在宅介護のやさしい手(東京都目黒区、香取幹社長)の人材紹介派遣事業本部だ。紹介予定派遣の成約率は現状ではまだ低水準にある。同社は最終的に紹介予定派遣による成約率を50%まで持っていくのが目標だ。また、今まで人材サービス会社を使ったことがない事業者にもアピールすることが必要と考え、7月から新たに無料で求人広告が掲載できるウェブサイトを立ち上げた。
人材紹介派遣事業本部は在宅介護事業のやさしい手の人材サービス部門だ。前身は1964年から家政婦の紹介を手がけている大橋サービス。2001年7月にやさしい手に吸収合併されてからは、従来の家政婦紹介事業のほか、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の約300事業所に介護スタッフや看護師の派遣事業を行っている。派遣先の60%は社会福祉法人、30%が株式会社、そして病院などの医療法人が10%だ。
同社の派遣事業はきめ細かなスタッフのケアが特色だ。登録スタッフは営業スタッフと養成スタッフが連携してサポートする。いずれも介護現場での就労経験者で、現場にいた人でなければ分からない精神的な悩みやキャリアアップの構築にも細やかに対応できるという。養成スタッフは登録スタッフの具体的な介護技術の悩みに応える。
登録スタッフには介護の仕事の未経験者であっても、就業前に無料で講座を受講できるようにして、まずはヘルパー3級資格の資格取得を奨励し、半年間の実務経験を積んだ登録スタッフには、無料のヘルパー2級資格講座が準備されている。施設への派遣に資格は不要で、有資格者として認められるのは2級からだが、仕事に対する自信をつけると同時に、3級から2級へとキャリアアップしていくのだという自覚を高めるのに役立っているという。
「必要なときに必要な人材を契約事業所に供給するのも人材派遣業の役割」と同社の大橋WM事業部の大石浩之部長は話す。しかし、現在の人手不足を乗り切るには、スポット派遣頼みではなく、職場に定着させていくことが必要との考えから、同社は今期から就職を前提にした紹介予定派遣を重点的に進めていくことを決めた。
今のところ、実際に紹介予定派遣スタッフとして派遣先に受け入れられるスタッフの比率はまだ低水準にとどまっているという。紹介予定派遣は半年間の派遣期間を終えて雇用されるとその時点で新たに紹介手数料が発生するが、その負担に二の足を踏むというのが主な理由だ。
「紹介手数料の相場はスタッフの年収の20〜30%。他業界では普通に受け入れられても、離職率が高い介護業界では、定着の保証もない。たとえベースとなる年収が低くてもリスクが大きいと感じるようです」(大石部長)。
同社では受け入れ先の事業者に対してもスタッフが戦力となり、キャリアアップの道筋を描けるような環境づくりをするように積極的に働き掛けを行っていき、最終的に紹介予定派遣を通じて直接雇用に結びつける比率を50%まで高めるのが目標だ。
一方で顧客と登録スタッフを増やすために7月から「YSウェブ」を立ち上げた。求人案件掲載、スタッフ同士の交流の場となるサイトだ。
最大の特徴は、掲載案件のすべての施設名を実名表示にしたこと。通常の求人広告と同じ効果が期待できる。自前で求人していた事業所に派遣を利用してもらうハードルを低くするのがねらい。来年6月までは掲載無料で、派遣・紹介が成約した場合のみ、課金される仕組み。同社の職員のブログなども掲載され、その人となりが垣間見られるようになっているため、登録スタッフにとっても親しみやすい内容になっている。
出展 : 大石浩之 「人材不足をどうするか 人材ビジネス界からの提言K 紹介予定派遣を重点にサイトで無料求人広告」
『高齢社会の福祉専門誌 』 第791号 2007年(平成19年)8月24日(金曜日) P6
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