将来的に深刻な人材不足が懸念される介護職員をどのように補うべきでしょうか

資料請求・お問い合わせ
介護 求人 仕事 派遣
お仕事をお探しの方 お仕事情報 スタッフルーム コンサルタント日記
トップ> 高齢者福祉分野における人材派遣業の役割
高齢者福祉分野における人材派遣業の役割
 
    あらすじ

 ここ1年間で、訪問介護員や介護職員などの介護に携わる人材不足が深刻化している。今後、さらに少子化が進むことで、将来的にも介護人材が不足することが予測され、ご利用者に質の高いサービスを提供するための環境づくりが重要となっている。

 一方で、人材不足を解消しようと、求人募集広告において、多くの介護人材の募集記事が飛び交い、実質的に介護会社間における人材獲得競争がおきている。その中で、介護業界においても、人材派遣業が介護人材を提供するようになってきた。高齢者福祉分野いわゆる介護業界における人材派遣業の役割について報告する。

    介護人材の現状

 介護人材の不足が深刻しています。 厚生労働省が、今後10年間で介護職員を現在の100万人から150万人に増やす必要があると試算しておりますが、仕事の厳しさや賃金水準の低さの影響から、1年間で4人に1人が辞めていくという状況であり、都内におきましても、人材不足でご利用者の受け入れができない介護施設が発生しております。介護人材の現状については、介護労働安定センターの調査によりますと、介護労働者の性別では、女性が79.3%と多く、就業形態は正社員の割合が53.1%となっております。また、勤続年数は、平均で3.4年と他業界と比較しても非常に短い状態であります。

募集費用に対する一人当たり就労稼動にかかる費用

 その中で、求人広告による人材募集についての状況は、今年1年間で大きく変化しております。特に、弊社においては、介護人材が実際に就業するまでの費用(右表:募集費用に対する1人あたり反響にかかる費用)は、昨年平均72,000円にから今年1年間の平均は139,000円となっています。特に今年の1月からの半年間では、平均162,000円と昨年の225%に達しました。

 決して安くない人材募集を出し続け、結果的にまったく無駄になった募集広告を何度も行ってきた結果、当然ながら各社の採用担当者は人材獲得に向けた工夫を凝らし、強い獲得意欲を持った採用担当者が応募に対して丁寧に対応し、徐々に待遇面でも改善が見られてきていることもあります。

 しかしながら、圧倒的に昨年と比較して、求人広告による人材獲得競争は激化している現状です

    人材派遣会社の活用について

 そもそも、人材に関わる仕事は大きく分けますと、人材派遣、人材紹介、業務請負そして再就職支援となります。その中で、広く一般的に理解され、成長著しいのが人材派遣です。近年の、規制緩和を背景に、企業の要求水準が高度化・多様化し、労働者の就業に対する意識と価値観の多様化、及びライフスタイルの変化とが相まって、人材派遣を活用する企業や登録スタッフは増えつづけております。

 人材派遣事業は、1966年に日本に輸入されました。派遣事業を新たな労働力需給システムとして制度化し、労働力需給の適正な調整を図ると共に、派遣スタッフの保護と雇用の安定を図る目的とした「労働者派遣法」が1986年に施行され、20年が経過しました。 人材派遣事業の仕組み

 人材派遣の仕組みは、派遣会社と雇用関係にある派遣スタッフが、派遣先の介護会社からの指揮命令を受けて、ご利用者に対してサービスの提供を行うものです。派遣先の介護会社と派遣スタッフの間に雇用関係が無いことから、間接雇用のかたちとなり、給与の支給及び勤怠管理は派遣元が行います。当然、社会保険加入要件を満たす場合には、派遣会社の社員として社会保険に加入することになります。

 派遣会社が派遣先の介護会社に請求する派遣料金と派遣スタッフに支払う賃金は、派遣先での業務内容やスキルによって定められた時間単価と実働時間をベースに計算されます。

 人材派遣は、求める人材の必要なスキルや必要な期間が明確な介護会社が、人材を必要なときに依頼することができるのが特徴です。特に、「必要なときに、必要な人材を、必要な期間だけ」という言葉で親しまれております。

 従前の介護業界における人材の採用は、ハローワークや新聞折込広告を中心とした直接採用が中心でありました。しかし、この3年間あまりの人材獲得競争が激化により、介護報酬改定後の各介護会社が、採用の保証のない広告をだし続けることは不可能です。また、やっとの思いで獲得した人材獲得が、すぐに退職してしまうという悪循環を繰り返すことはできません。そこで、人材派遣会社のような、人材を企業に代わって採用する人材ビジネス会社が多く現れました。

 これは決して介護業界特有のことではなく、かつて、あらゆる業種が人材不足を経験してきたなかで、出現してきたのです。

 そうした人材派遣会社の中でも、介護業界において最も適しているのが、「紹介予定派遣」システムを活用した方法です。紹介予定派遣は、正社員として就業する前に、まず派遣スタッフとして一定期間就業します。就業先企業と派遣スタッフの希望が一致した場合、正社員への雇用切り替えを行うシステムです。この方法を用いることで、求人企業及び就労希望者の両者が納得して働くことができます。お互いが納得して正規雇用されるかどうか決定しますので、無駄なコストはかかりません。また、派遣スタッフにとっても、正規職員に雇用される前に、会社の実際の仕事内容や雰囲気などを体感できます。まさに、現状の介護業界にうってつけともいえる「紹介予定派遣」システムの利用が今後盛んになってくると思われます。

    人材派遣業の 役割

今後、介護業界における人材派遣会社の役割は大きく分けて4つあります。

@ 他業界からの介護業界へ人材を調達すること。

A 未経験者が安心して働くことができるように、専門的な教育訓練を行うこと。

B 紹介予定派遣によるキャリアアップ支援をすること。

C 派遣先へのアドバイスをすること。

 人材派遣会社が、介護業界で存在する意義は、職員の産休時の対応や緊急時にスポット的な対応から変化し、ご利用者が安心して生活ができるように、介護会社の慢性的な人材不足から解消していくことであります。そのためにも、介護業界へ人材を流入していくことが大きな命題となっています。広く一般的にWEBなどを活用して人材を募集し、転職の相談及びホームヘルパー資格を無料で取らせる指導を行いながら、介護業界での活躍を希望する方々が安心して働けるよう、情報を提供することを行っていくことが必要です。

 一方、強いやる気と責任感を持った人材が他業種から介護業界へ転職する際、その第一歩として、介護の基本的技術とご利用者へのサービス提供の心得を身につける必要があります。当然、介護会社は介護の経験を持った人材を求めますし、大きな期待もあります。

 実際の就労前に、基本的な介護の知識とご利用者に対するマナーを習得しておくことで、介護業界で就労していく自信に繋がると考えております。弊社では就労前に実際の介護施設の現場において施設介護員養成研修制度(OJT)と、就労後に介護技術の確認と幅広い知識を身に付け成長していただくためのグローアップ講習(OFFJT)を構築しました。

 また、派遣スタッフが退職せずに長期で働いていただくキャリアアップの支援として、介護を志す人材に対し、紹介予定派遣制度により正社員になるという目標を持たせ、その目標達成のために派遣会社が一丸となった惜しみない支援をしていくことが必要です。

 そのためにも、派遣先へのアドバイス(派遣人材に対しての定着や戦力化のためのアドバイス)を行っていくことが重要であり、その結果として派遣人材が正社員として就職する可能性(派遣人材の就職率)を向上していくことが、派遣先及び派遣人材の満足につながり、そしてわれわれの事業の目標であるご利用者が安心して生活することになると思っております。

事業目標
 
出展 : 山川 純一 「高齢者福祉分野における人材派遣業の役割」
『地域ケアリング』8月号 2007年 Vol.9 No.9
PP.44 - PP.45 2007年  
Copyright © YS ウェブ . All Rights Reserved